スタッドレスタイヤQ&A


スタッドレスタイヤに関する疑問にお答えするQ&A集です。

スタッドレスタイヤとは雪道や凍結路面の走行に適している冬用のタイヤのことです。

以前はスパイクタイヤというゴムの表面に鋲(鋲)が打ち込まれたタイヤが使われていました。

しかし、アスファルトを削ることによる粉塵公害や騒音が問題になり、平成3年から使用が原則禁止になりました。

参考資料:環境省「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律施行令

左:スパイクタイヤ 右:スタッドレスタイヤ
スパイクタイヤ:タイヤ表面にスタッド(鋲)が打ち込んである
スパイクタイヤ走行音
左:夏タイヤ,右:スタッドレスタイヤ

夏タイヤ

冬タイヤ
硬さ硬い柔らかい
切り込み少ない多い
夏タイヤ・スタッドレスタイヤ比較

スタッドレスタイヤと夏タイヤの構造を比べると、

スタッドレスタイヤのゴムは夏タイヤと比べ柔らかくなっています。

柔らかいゴムのほうが凹凸のある凍結路面と設置する面積が大きくなるため滑りにくくなります。

また、スタッドレスタイヤの表面には細かい切り込みがたくさん刻まれています。

この切り込みが滑る原因となる路面とタイヤの間の水の膜を吸い込むことでグリップ力を高めます。

凍結路面でタイヤが滑る原因は気温上昇・日差し・タイヤの摩擦などにより、

凍結路面とタイヤの間に水の膜が出来て、タイヤと氷が密着しずらくなるためと言われています。

参考資料:慶応義塾大学「氷はなぜ滑る? 分子動力学計算と機械学習手法により氷表面の擬似液体層における分子運動の不均一性を解明

冷凍庫から取り出したばかリの乾いた氷は人差し指と親指で摘まみ上げることが出来ますが、溶けて表面が水の膜で覆われた氷を摘まみ上げようとしても、なかなかつかめない経験をした人もいるでしょう。

氷と指の間に水の膜が出来ることにより、指が氷と密着するのを妨げることによりこのような現象が起こります。

凍結路面で滑る原因を氷を使って説明

凍結路面が滑る原因の”水の膜”を取り除いてくれるからです。

スタッドレスタイヤの表面には細かい切り込みがたくさん刻まれており、

そこから路面とタイヤの隙間の水の膜を除去し、タイヤと路面を密着させてくれます。

また、スタッドレスタイヤのゴムは夏タイヤよりも柔らかいため凸凹の凍結路面でも設置面積を大きく確保することでグリップ力を高めます。

走行することは出来ますが夏タイヤへの履き替えをしてください。

”乾燥路面、ウェット路面で夏タイヤ・スタッドレスタイヤで制動距離が変わるのか実験した結果”によると、夏タイヤの方が乾燥路面・ウェット路面ともに制動距離が伸びてしまう結果となりました。

乾燥路面・ウェット路面ではスタッドレスタイヤの方が止まりにくいということです。

また、スタッドレスタイヤのゴムは柔らかく、夏タイヤよりも消耗が早くなります。

経済的な理由からも春から秋シーズンは夏タイヤに履き替えることをおすすめいたします。

夏タイヤ・冬タイヤ制動距離比較(乾燥路面・ウェット路面)

一般的には3年~5年と言われています。

しかし、それよりもタイヤの状態の方が大事です。

1・2年しか乗っていなかったとしても摩耗が激しいとタイヤの性能を十分に発揮できない場合があります。反対にほとんど使っていない場合であっても購入してから年月が経つことでゴムが硬くなってきて性能を十分に発揮できない状態になってしまう場合があります。

3年~5年というのはあくまでも目安なので、

摩耗状態、硬度が基準を満たしているか

交換前に車屋さんにチェックしてもらうことをおすすめいたします。

判断するポイントは3つあります。

タイヤの製造年

タイヤの寿命は一般的に3年から5年と言われています。

タイヤ公正取引委員会が行った実験によると、適切な保管方法で保管されたタイヤは3年間は新品と同様の性能を保つという結果が確認されました。

3年を超えたスタッドレスタイヤは性能が低下している可能性があるため、摩耗状態やゴムの硬さなどが基準を満たしているかを特に注意して確認しましょう

タイヤの製造年はタイヤの側面の記載で確認できます。

タイヤ製造年月の記載

タイヤの摩耗具合

ミゾの深さが新品時の50%以下になるとスタッドレスタイヤとしては使うことが出来ません。スタッドレスタイヤには”プラットフォーム”※1という基準があります。プラットフォームが出てしまったタイヤはスタッドレスタイヤとしての性能を十分に発揮出来ないため交換しましょう。

ちなみに、プラットフォームとは別にスリップサイン※2というものがあります。こちらが出てしまったタイヤとしてはもう使えないという基準になります。

プラットフォーム
スリップサイン

ゴムの硬さ

ゴムが硬くなるとスタッドレスタイヤの性能が低下します。硬度計で測定するか車屋さんに確認してもらいましょう。

スタッドレスタイヤを長持ちさせるためには保管場所と置き方が重要です。

①保管場所

日陰、車庫、物置で保管しましょう。タイヤの劣化を防ぐために日の当たらない所で保管してください。ただし、自宅の中(居住空間など)で保管するのはおすすめいたしません。理由は匂いが発生すること、また、長期間保管しているとタイヤの中から油が染み出てくる場合があるためです。油により床が変色したりしてしまう可能性があります。

②置き方

ホイール付の場合

空気をパンパンに入れたままだとタイヤに高い圧が掛かった状態なので、空気を半分くらい抜いて保管しましょう。

横置きで積み重ねて置くとゴムの変形を最小限に抑えながら、スペースも最小限に保管することが出来ます。

ホイール付のタイヤは少し空気を抜いて横置きで積み重ねる

タイヤだけの場合

ホイールなし、タイヤだけの場合は縦置きで保管しましょう。

ホイールがないタイヤを横置きで積み重ねると変形してしまう可能性があります。

ホイールなしタイヤは縦置きで保管

直射日光を避けたり、変形しないように置き方を工夫することの他にも、無駄な摩耗を防ぐというのも大事です。

スタッドレスタイヤのゴムは夏タイヤと比べて柔らいため、乾燥路面での走行では夏タイヤよりも消耗が激しくなります。冬が終わったら夏タイヤに交換することで無駄な摩耗を抑えることもタイヤの寿命を延ばす一つの方法です。

参考資料:ゴムの寿命が短くなる原因 株式会社シープロン化学「ゴムの寿命が短くてお困りの場合

地域により差はありますが冬が来る前に交換しましょう。

雪が降っていなくても場所によっては気温が低くなり路面が凍結することもあります。

橋の上や日陰など路面の温度が他より低くなりやすい場所では気温が0度より高い場合であっても、路面の温度はマイナスになることもあります。

また、冬前はタイヤ交換でどこの車屋さんも混雑する傾向があるため、

冬が来る前に余裕をもって交換することをおすすめいたします。

スタッドレスタイヤは夏タイヤよりもゴムが柔らかくすることで、

路面と密着しやすく作られています。

しかし、最初は表面に少し硬めのゴムが残っているため、

ドライ路面で走行し、硬めのゴム皮を取ることで性能を最大限発揮します。

ブリヂストンが提唱する基準では新品のタイヤを購入したら時速60km以下で200km以上の慣らし走行が必要となっています。

新品のスタッドレスタイヤに履き替える場合は、冬前に余裕を持って交換し、

積雪路面・凍結路面で十分な性能を引き出せるようにしておきましょう。

参考資料:新品タイヤのならし走行

定期的な増し締めを行いましょう。

国土交通省のデータによると、タイヤ交換時期が11月に集中し、交換後1カ月以内の車輪脱落事故が集中的に発生しています。交換後は特にこまめに増し締めを行うことが望ましいと考えられます。また、ロングドライブや高速道路走行の前後にも増し締めを行いましょう。

参考資料:国土交通省「自動車の点検整備

タイヤ脱落事故の原因と対策について専門家が語る

使用頻度によってどちらにするか検討することをおすすめいたします。

使用頻度の高い地域(積雪地域)では、ホイール付での購入をおすすめいたします。積雪地域では冬前のスタッドレス装着、冬終わりの取りはずしとタイヤ交換が年に2回あります。

タイヤだけの場合、ホイールへの取付・取り外しを頻繁に行う必要がありゴム部分を痛めてしまう可能性があります。また、ホイール付のタイヤを交換する場合とホイールへの脱着+交換ではホイール付のタイヤを交換するほうが短時間で交換費用も抑えることが出来ます

積雪のない地域で、お守り的にスタッドレスタイヤを準備されている方の場合は、費用を抑える目的でタイヤのみの購入でもよいかと思います。

タイヤの外径(直径)は変えずにホイールを小さくするサイズ変更のことをインチダウンと言います。

インチダウンすることでタイヤ購入費用を抑えることが出来るというメリットがあります。スタッドレスタイヤは夏タイヤと比べて価格が高いのでインチダウンするのも価格を抑える手段として有効です。

デメリットとしてはデザイン性の低下です。人によってはかっこわるいと感じる人もいるかもしれません。

走行中の影響は?

ホイールが小さくなる分タイヤのゴム部分が大きくなります。

その分走行中のたわみが大きくなります。

そのため、人によっては乗り心地が良くなったと感じる人もいれば、タイヤの変形が強くなることでハンドルを切った時に車が”よれている”と感じる人はいるかもしれません。