夏タイヤ・スタッドレスタイヤの制動距離実験


アスファルト路面では夏タイヤよりスタッドレスタイヤの方が制動距離が長いとされているので、雪解け後は早めにタイヤ交換することが推奨されています。

そこで実験をしてみました。

夏タイヤとスタッドレスタイヤを使用し、ドライ路面とウエット路面において各5回ずつ制動距離を計測します。

実験の概要

実施日2024年4月6日
テスト場所(有)アウトバーン忠和店敷地内
実験車両スズキイグニス(ABS搭載車両)
テスト実施の背景及と目的アスファルト路面においてのスタッドレスタイヤ使用の危険性を検証し、雪解け時期、タイヤ交換のタイミングが難しい北海道特有の環境下であっても、積雪の可能性が無くなった時点での早めのタイヤ交換の必要性を確認する。
テスト内容・時速50㎞まで加速し急制動。
・ドライ路面(アスファルト)及びウエット路面において、
 夏タイヤ、スタッドレスタイヤ各5回ずつ制動距離を計測。
計測方法・レーザー式計測器を使用。
・制動開始ラインからフロントホイールまでの距離を計測。
その他時速50㎞及びブレーキのタイミングの正確性については、目視や人間の感覚、反応速度や空走距離等により誤差が生じる可能性があるため各5回ずつ計測し平均値を算出。

実験の詳細及び手順

⑴使用車両

スズキイグニス(ABS搭載車両)

使用車両 イグニス(ABS搭載車両)

(2)加速及び急制動について

メーター上で時速50キロ(実測では誤差あり)まで加速し、

制動開始ラインをフロントタイヤが通過したところで係員が旗を上げ、

ドライバーの目視確認で急制動(フルブレーキ)。

(3)計測方法

車両停止後制動ラインからフロントタイヤホイールの中心までの距離を計測。距離の計測には誤差が少ないレーザー式の計測計を使用。

(4)実験手順

①ドライ路面にてスタッドレスタイヤで5回測定。

②夏タイヤに交換

③ドライ路面にて夏タイヤで5回測定。

④路面状況をウエットに変更

⑤ウエット路面にて夏タイヤで5回測定。

⑥スタッドレスタイヤ交換

⑦ウエット路にてスタッドレスタイヤで5回測定

実験結果

ドライ路面

夏タイヤスタッドレス
1回目7.9m9.4m
2回目7.1m10.1m
3回目9.1m9.1m
4回目8.9m9.7m
5回目8.7m9.69m
平均8.34m9.58m

ドライ路面 1回目
ドライ路面 2回目
ドライ路面 3回目
ドライ路面 4回目
ドライ路面 5回目

夏タイヤ平均値 8.34m

スタッドレスタイヤ平均値 9.58m

平均で1.2mほどの差で、予想通りスタッドレスタイヤの方が制動距離は長いという結果になりました。

ウェット路面

夏タイヤスタッドレスタイヤ
1回目9.5m11.5m
2回目10.8m13.0m
3回目10.7m12.7m
4回目10.9m11.4m
5回目11.4m13.3m
平均10.66m12.38m
ウェット路面 1回目
ウェット路面 2回目
ウェット路面 3回目
ウェット路面 4回目
ウェット路面 5回目

夏タイヤは平均で10.66m

スタッドレスタイヤは平均で12.38m

1.8mほどの差でしょうか。

こちらも予想通りスタッドレスタイヤの方が制動距離は長いという結果となりました。

まとめ

・スタッドレスタイヤはドライ路面においてもウエット路面においても制動距離は伸びることが確認された。
・雪国では冬タイヤから夏タイヤに履き替えるタイミング、見極めが難しいと思うが、雪が降らない時期になったら早めのタイヤ交換を推奨する。
・やむを得ずスタッドレスタイヤで走行する場合は路面状況、車間距離を確認し安全運転を心がける。